ボリウッドだけじゃない!インド系アメリカ人がつくるアメリカ展 ①
アメリカ人って誰?
みなさんは「アメリカ人」と聞いてどういうイメージを持ちますか?
こんな感じ?
テレビシリーズ「フレンズ」。ちょっと古いかな(笑)
日本でも人気でしたね。実はこの番組、ニューヨークが舞台にもかかわらず出演者が白人ばかりという批判がアメリカではあります。ニューヨークといえば特に多様な人種、民族の人がいる都市ですよね。それが魅力でニューヨークに集まってくる人たちも多いはず。
ネットフリックスに入っていたので見ていたら、「そんなの見ているの(笑)」と夫に笑われてしまいました。アジアン・アメリカン(というかマイノリティー)にとってはジョークの対象の様です。大人になったのに、大人になりきれず、自分のやりたいことをいつまでも探し求めていられるのは、余裕のある人たちの贅沢。しかも超家賃の高いマンハッタンで!(笑)
もし出演者が黒人だったら全く成立しないストーリー。セントラルパークの噴水の中に入って遊んでいたりなんかしたら(オープニング参照)、即刻、警察沙汰になるでしょう。白人にしかできない。
「アメリカの有名ドラマ!」と反応して見ていた自分が恥ずかしい。。。
ちなみに「セックス・アンド・ザ・シティー」も同じような批判がされています。もっと最近のだと、イマドキのニューヨークの20代女子を描くドラマ「Girls」も。「イマドキのニューヨーク”白人”女子」しかでてこないと批判されているようです。
こういう海外(アメリカ)ドラマを見ていると、アメリカが多様な国とは知ってはいても、「アメリカ人」と聞いた時についつい「白人」を思い浮かべてしまう人も多いのではないでしょうか?
実際には、様々な人種・民族のアメリカ人がいて、その中の1つが「インド系アメリカ人 (Indian American)」。
今回は、そんなインド系アメリカ人についての展示がスミソニアンの博物館であったので紹介します。(というわけでトップの写真です)
Beyond Bollywood展
今、スミソニアンの国立自然史博物館 (National Museum of Natural History)では、
“Beyond BollywoodーIndian Americans Shape the Nation”
というタイトルの展示をしています。日本語にすると
「ボリウッドだけじゃない〜インド系アメリカ人が形づくるアメリカ展」という感じでしょうか。
これは、今のアメリカを形作る要素のひとつとして、インド系移民とインド系アメリカ人の日常生活や伝統、彼らのアメリカへのいろいろな形での貢献を展示する企画。「ボリウッド」に代表されるようなステレオタイプのイメージを超えて、アメリカの一部としてのインド系移民、インド系アメリカ人を知ってもらおうとするものです。
Beyond Bollywood−Indian Americans Shape the Nation 《期間》2015年8月16日(日)まで 《料金》無料! 《場所》スミソニアン国立自然史博物館2F 1000 Constitution Ave., NW in Washington, D.C. 20004 《アクセス》メトロFederal Triangle駅または Smithsonian駅から徒歩3〜5分 《HP》http://smithsonianapa.org/beyondbollywood/ |
国立自然史博物館って、あのどデカい恐竜の化石やら模型やらがいっぱいある博物館。映画でみたことのある人も多いかな。なんでここで、この展示?と思ったけれど、人間も自然史の一部ということでしょうか。ま、企画をしているのは自然史博物館ではなくて Smithsonian Asian Pacific American Center (スミソニアン・アジア太平洋系アメリカ人センター)なんですけどね。
100人に1人がインド系アメリカ人
現在、アメリカの100人に1人がインド系アメリカ人です。
写真の展示は、フレームの一つが鏡になっていて、自分もその100分の1人として展示に入り込めるというもの。私もインド系としてフレームにおさまってみました。まだインド系”アメリカ人”ではないんですけどね。将来なるかもしれないから。
インド系アメリカ人は、アメリカの人口統計(2010)によるとアジア系アメリカ人のなかで中国人についで2番目に多く、アメリカ国内で急速に成長しているエスニック集団のひとつです。
インド系移民の歴史はアメリカが独立を宣言してから間もない1790年にさかのぼります。そして19世紀をとおして 西部の鉄道の建設やカリフォルニアの農業の労働力として貢献してきました。
展示では、インド系移民が市民権を得るまでの経緯や、アジア系で初の国会議員となった歴史、近年のインド系アメリカ人の新しい分野での活躍から、日常生活のひとこままでインド系移民、インド系アメリカ人の歴史が幅広く紹介されています。
また、華やかな歴史だけでなく、1987年におこったインド系へのヘイト集団”Dotbusters”についての展示など、インド系への差別にも向き合う内容になっています。
残念なことに、今でも、インド系に対する偏見や、それによる差別はあります。だからこそ、改善に取り組むために、国立博物館でこのような展示がおこなわれているのでしょう。差別はあるけれども、それに対して国の中心から取り組むのがアメリカ。「いつまでもたっても人種差別のある国だな」と思う人もいるかもしれないけれど、見えないふりをしないで顕在化させている違いではないかなとアメリカにきて感じます。日本はまだ見えてすらいない段階なのかなと。
さて、長くなってきたので、今回はこの辺で。
展示は来週末、16日までなので、DCにいる方はお早めに!
さすがインド!って感じの色使いでなかなかウキウキする展示室になってますよ。
DCまでこれない方は、こちらのデジタルギャラリーで展示の一部が紹介されているのでどうぞ!http://smithsonianapa.org/beyondbollywood/project/digital/
次回の投稿でも、展示をいくつか紹介しますね。
Beyond Bollywood−Indian Americans Shape the Nation 《期間》2015年8月16日(日)まで 《料金》無料! 《場所》スミソニアン国立自然史博物館2F 1000 Constitution Ave., NW in Washington, D.C. 20004 《アクセス》メトロFederal Triangle駅または Smithsonian駅から徒歩3〜5分 《HP》http://smithsonianapa.org/beyondbollywood/ |
ちなみに、浴衣なのはこの後にお茶会に行ったからです!
ま、こんなインド系移民もいますということで。
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