ボリウッドだけじゃない!インド系アメリカ人がつくるアメリカ展 ② ミス・アメリカ2014
さて、展示期間もすぎたのでネタばれしてもいいよね?
ということで、前回の予告どおり、今回の投稿はスミソニアンの”Beyond BollywoodーIndian Americans Shape the Nation” 展の展示を紹介していきたいと思います。
ミス・アメリカ 2014
この方、2014年のミス・アメリカの座に輝いたNina Davuluriさん。
彼女は、インド系アメリカ人として初めてミス・アメリカに選ばれました。
アジア系アメリカ人としては2人目。
というわけで、”Ground Breakers” 新しい分野で活躍するインド系アメリカ人の1人として紹介されていました。
展示の説明を日本語にするとこんな感じです。
ミス・アメリカ2014
2013年、ニューヨーク州代表のニーナ・ダブルリが、インド系アメリカ人として初めてミス・アメリカの栄冠を手にいれました。彼女の歴史的な勝利に、ネット上では人種差別や外国人差別的なコメントが吹き荒れたものの、アメリカにいるインド人、そしてアメリカ一般からは称賛をえました。ミス・コンテストの一芸を披露する場において、ダブルリはボリウッドスタイルのダンスを披露しました。
アメリカ代表選でボリウッドダンスを披露!?
彼女が特にすごいと思うのは、ミス・アメリカのコンテストの中の一芸を披露する審査で、ボリウッドとインドの伝統的なダンスをフュージョンさせたダンスを披露したこと。
アメリカ代表を選ぶところで、インドの芸能ですよ!?
アメリカ人として魅せるのではなく、インド系アメリカ人としてのアイデンティティを全面に打ち出してステージに立ったのです。そして見事に優勝。彼女の意思もすごいけれど、彼女がこれをアメリカ代表を選ぶ場で披露しても大丈夫と踏み切れる素地を作ったアメリカ社会も、それを披露した彼女をアメリカ代表に選んだ、ミス・アメリカの審査委員もすごいなと思うのです。
ネット民はアメリカでもネット民
残念なことに、インド系の彼女がアメリカ代表に選ばれた際、ネット界隈では彼女はアメリカ代表にはふさわしくないとする人種差別的発言が溢れました。彼女をテロリストだなんて発言する人たちもいた様です。要は、アラブ系、ムスリムと勘違いしているんですね。アラブ系でも、ムスリムでもないし、そうだったとしてもだからといってテロリストにはならないし、勘違い甚だしいというか、ネットってそんなレベルの場所なんですね。アメリカでも。
日本でも今年、日本人と黒人系アメリカ人のハーフの宮本エリアナさんがミス・ユニバースの日本代表に選ばれ、同じ様に「日本代表にふさわしくない」というような内容が、特にネット界隈を中心として騒がれてましたね。このことは、CNNやニューヨークタイムズなどのアメリカのメディアでも、日本に蔓延する人種差別として話題になっていました。
「去年アメリカでも同じ状態だったじゃ〜ん(笑)」と思ったのですが、、、
だからといってとりあげる必要がないっていう訳ではないですもんね。
「ハーフ」に対する差別は確かに日本のことだけれども、その国の主流のイメージに合わない人が国の代表になると批判されるというのは、どこの国でも起こりやすいことで、現にアメリカでもニーナさんがミス・アメリカに選ばれたときに起こったこと。なので、宮本エリアナさんの記事をとりあげるアメリカのメディアがほとんどニーナ・ダブルリさんのことに触れていないのは、ちょっと違和感を感じずにはいられませんでした。
インドでの反応もまた困ったもの
一方、ニーナさんのミス・アメリカ選出によって、インドや海外在住インド人コミュニティでは女性の肌の色に対する差別意識が露呈しました。インドでは肌の色の薄い女性が美しいとされており、ミス・インドに選ばれる人は決まって肌の色が薄い女性ばかり。肌のホワイトニングがインドの美容業界では大流行りなのです。なので、インド人の中でも肌の色が濃い方であるニーナさんがミス・アメリカに選ばれると、「ミス・インドだったら優勝できないだろうな」などの発言が多く飛び出し、インド人の中の女性の肌の色への偏見を露呈したのです。
このことは、展示にはさすがに書いてなかったですね。。。
最後に、
インド系のミス・アメリカ2014とインド系のミス・ジャパン ファイナリスト2009のコラボ(笑)
<他の展示に続く>