《日本大使館発!TCKイニシアチブ》大使館の取り組み Japan in Your Heartのご紹介
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しばらく前になってしまいましたが、、、
ワシントンDCにある日本大使館が
「Japan in Your Heart: Third Culture Kids Initiative」
というサード・カルチャー・キッズのための新しい取り組みを始めたということを紹介しました。
第1弾のブログ、
《日本大使館発!TCKイニシアチブ》オバマ大統領も呼ばれているサード・カルチャー・キッズとは?
では、サード・カルチャー・キッズとは何か?ということを説明したのですが、今回は第2弾ということで、大使館の取り組みをご紹介したいと思います。
Japan in Your Heart キックオフイベント
1月28日に日本大使館のJICCにて、Japan in Your Heart: Third Culture Kid Initiative(TCK Initiative)のキックオフイベントがありました。
このTCK Initiativeは日本大使館の大鷹正人 公使と、クロスカルチャーコンサルタントのLauren Zelekさんが中心となって立ち上げられました。
お二人とも元TCK。大鷹公使はアメリカで子供時代を過ごした日本人として、Laurenさんは日本で子供時代を過ごしたアメリカ人としてTCKの経験をお持ちです。
キックオフイベントでは、そんなお二人の経験とともに、このプログラムを立ち上げた思いや、目的、TCKについての説明と、会場参加者との質疑応答がおこなわれました。
写真:壇上でお話しをする大鷹公使とLaurenさん
Japan in Your Heart の目的と活動内容
日本から帰ってきたTCKのために
まず、活動の目的としてあげられていたのが、日本につながりのあるアメリカに住むTCK、CCKが、日本とのつながりを持ち続けることができるように情報を提供すること。
日本関連の文化団体や、イベント、日本語学習の場の情報を提供することで、日本から帰ってきた後でも日本とつながりを感じられるように、また文化知識や言語を維持し続けることができるように支援をおこなっています。
こちらが、キックオフイベントで配られたブックレット。
アメリカにある日本関連の文化団体や、イベント、日本語を学習できる場所についての情報がまとまっています。
http://www.us.emb-japan.go.jp/english/html/japan-in-your-heart.pdf
こちらのURLからこのブックレットのPDFを見ることができます。
日本から戻ってきたTCKやCCKは、すでに日本に愛着を持っている人たちが多く、ある意味、親日派の卵。彼/彼女らをつなぎとめておくことは、日本大使館/政府にとってはアメリカの親日派を育てるという思惑もあるのかな?
なんて、活動の出だしがアメリカに戻ってきたTCK、CCKのための情報提供であることから想像もできますね。そうでなければ、通常はアメリカに住む日本人のための支援が真っ先に来るのではないかな〜と思うので。
TCKやCCKの知識を広め、ネットワークを作る
次に目的としてあがっているのが、TCK、CCKの概念を広め、社会にTCK、CCKについて知ってもらうと同時に当事者にリーチアウトしてサポートをすることです。
TCKやCCKというコンセプトはまだ一般にはあまり広く知られていません。
一方で、複数の文化の間で幼少期を過ごし、自分のバックグラウンドやアイデンティティに悩むことの多い当事者にとっては、このコンセプトを知り、自分の経験に説明がつく様になること、そして、他にも同じ様な経験をしている人が多くいるということを知ることで気持ちが楽になる人も多いようです。
このプロジェクトを率いているクロスカルチャーコンサルタントのLaurenさんも、ご自身がTCKという言葉に出会った時のことについて、そのように語っていました。だからこそ、もっと多くの当事者にこのコンセプトを知ってもらい、自分の経験をもっとポジティブなものに変えてもらいたいという思いで今の仕事をされています。
さらには、日本につながるTCK、CCKに限らず、広くTCK、CCKのつながりを作ることも活動の視野にあるそうです。
大使館が多くあるワシントンDCだから、TCK、CCKの経験を持つ人も多いし、各国の大使館と協力することであらゆる国につながるTCK、CCKをつなぎサポートすることもできそうですね。
これについては、これからの活動の発展に期待です。
Japan in Your Heart の活動
Japan in Your Heart の主な活動場所はフェースブックページです。
リンクはこちら→https://www.facebook.com/JIYH.TCK/
ここで、TCKに関する記事やイベントなどの情報や、日本関連のイベントの情報などが発信されています。
Japan in Your Heart が開催するイベントもここでアナウンスされます。
最近だと、3月のワシントンDCの桜祭りでブースを出していたようですね。
そして、このフェースブックぺージの一番の見所は、
大人になったTCK、CCKのインタビューシリーズ!!
当事者の実際の経験や思いに触れることができます。
今、TCK、CCKとして悩みを抱えている人にも、TCK、CCKの子育て中の親にも役に立つ内容だと思うのでゼヒ覗いてみてくださいね。
ハーフドキュメンタリーに登場する
日本×ガーナハーフの矢野デイビッドさんのインタビューも
掲載されています♪
<リンクはこちら→Japan in Your hear 矢野デイビッドさんインタビュー>
グローバル家族が期待すること
説明してきたとおり、今のところ、プロジェクトの方向が、日本である一定期間過ごした後にアメリカに帰国してきた人たちに向いているようです。
これからアメリカで子育てをすることになるであろう私としては、せっかく日本大使館が行うTCK、CCKへの支援ということなので、アメリカで子育て真っ最中な日本人に向けにももう少し支援を拡充して行って欲しいな〜と願っています。
やっぱり慣れないところで子育てをするというのは不安がいっぱいなもの。
なので、海外で子育てしている人向けに、TCK、CCKの子育ての心得や現地の教育制度についての情報、各地で子育てをしている親たちのコミュニティの紹介など、子育て情報のハブ的なものができたら便利なのになと思っています。
おそらく、ワシントンDCにも日本人の子育てコミュニティはいろいろあるのだろうけど、まとまって情報を得られる場所って見当たらないんですよね。。。
もちろん、他の国のTCK、CCKの子どもたちとつながるというのも面白い経験だとは思うのだけど、まずは海外での子育て情報が一番欲しい内容なのかなと。
そして、日本でハーフとして育ち、外国につながる子どもたちの支援をしていた身としては、この枠組みを使って、日本の CCKにも目を向けてもらいたいなと思っています。(日本で多文化ルーツのある人たちって見落とされがちなんですよね。。。)
以上、ワシントンDCにある日本大使館で始まったJapan in Your Heart-TCK Initiativeについての報告でした♪
Japan in Your Heartのフェースブックページに掲載されたキックオフイベントの報告はコチラから読むことができます。言語は英語です。
また、TCK 、CCKについてもっと詳しく知りたい方は、ゼヒこちらの本を読んでみてください。
日本語、英語、両方とも日本のアマゾンで手に入ります。
TCK、CCKのお子さんの子育てをしている親御さんにとっては、子ども経験や感情を理解するのにとても役立つ1冊となっています。TCKとして育つ子どものために親ができることについてのアドバイスもしっかりとまとまっています。